入門編:お釈迦様ってどんな方?(9)

それでは、今回も、仏教入門編、お釈迦様のことについて解説を続けましょう。

憍陳如は、涙ながらに太子の変心を願い、帰城を求めます。
しかし、正覚(仏の覚り)を成就するまでは断じて帰国しないというシッタルタ太子の決意は、大地のごとく微動だにもしませんでした。

「おまえたちには分からないのか!あの激しい無常の嵐が、まだ分からないのか!
ものは皆常住しないのだ。いずれの日にか衰え、いずれの日にか滅ぶのだ。
快楽のかげにも無常の響きがこもっているのだ。
美女の奏する弦歌は欲をもって人を惑わすのみだ。
三界は悩みのみ。たけき火のごとく、浮かべる雲のごとく、幻や水泡のごとし。
若きを愛すれどやがて老いと病と死のために壊れ去るのだ」

火の玉のごとき太子の菩提心を、5人の使者はどうにもできず、涙をのんで帰城し、太子の決意のほどを父王に伝えたのでした。

父王は深く首をうなだれ、さほどまで太子の決心が固いならと、一時は断念されます。が、子を思う親心から、憍陳如ら5人を、太子の元でともに修行させ、世話をするよう命じられました。
5人は王命を喜んで受け、再度太子の元に行き、五比丘(僧)となりました。

父王とヤショダラ姫は、太子の苦行を案じて、衣類や食品を送達させられましたが、太子は固く辞退されて、日に一麻一米を食して、私たちの想像も及ばない苦行を続けられました。
節食、断食、呼吸の制御、特殊な座り方、立ち方、肉体的苦痛を受けること、五火の苦行などで、肉体に打ちかつ力を養い、忍辱、忍受の精神を植えつけ意志の鍛錬をするのです。

しかし、このような苦行を続けられても解脱を得ることができず、いたずらに心身衰痩して、樹にすがって、立つのもやっとというほどになられたシッタルタ太子は、ついに意を決して従来の苦行を捨て、単身苦行林を脱出されたのでした。

さて、この話の続き、気になるところですが、次回にしたいと思います。

Comments are closed.