入門編:お釈迦さまってどんな方?(5)

仏教を説かれたお釈迦さまの半生を、続けてお話ししています。
親鸞会で勉強している友人が詳しく教えてくれました。

全人類が必ず直面する、老病死の問題に向き合われ、
真の安心・満足はどこにあるのか、本当の幸福とは何かを探し求める悉達多太子(しったるたたいし)。
出城を父に願い出ましたが、当然、許されるはずはありませんでした。

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「ついに、出家したいと言い出したか……」
父・浄飯王(じょうぼんのう)の不安は、現実のものとなりました。
東西南北の城門から、ふらりと出掛けたあの日から、太子は、ますますふさぎこんでいるようでした。
「金や財もある、優しい妻も子もいる、将来の地位も約束されている。
 命ずれば思い通りに動く家臣たちもたくさんいる。
 老いだの病だの、先々の心配などせず、今を楽しく生きればよいのに……」
父王には、何もかもに恵まれているはずの人生を、少しも楽しもうとしない太子の心情が全く理解できません。

「そうだ!」
はたと気づいて、ひざを打った浄飯王。
「快楽に身を任せれば、つまらぬ悩みも消えてしまうに違いない」
と、すぐさま家臣に命じ、四季折々の豪勢な御殿を作らせ、国中から美女500人を集めてかしずかせました。
昼夜、歌や舞で、太子を慰めようとしたのです。

「太子様、こちらは遠国より取り寄せた珍しい果実にございます」
「それよりこのお酒を召し上がりませんか」
「じっと座っておられても退屈でしょう?私たちと一緒に踊りましょうよ」
次々と太子を誘う、妖艶な女たちの甘い言葉。
テーブルには珍味や色とりどりの果実が並び、愉快な音楽が昼夜、鳴り響く。

勧められるままに飲んだ美酒でほろ酔いの太子、ふとこんな思いが浮かびました。
「私は考え過ぎなのだろうか?
 この美しい女たちといれば、悩みも晴れるのかもしれない……」

こうして、戯れの数年が過ぎていきました。
                            (つづく)
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「その時その時、好きなことをやればいいんだ」
「老病死の問題?考えたって、暗くなるだけ」
「生きる意味なんて面倒なことは、忘れた方が楽しく生きられるよ」
周囲を見渡せば、このように言う人ばかりでしょう。
しかしその主張を貫き通すことはできるでしょうか。

【仏教:入門編】で続けてお話してきたお釈迦さまの半生も、次回がいよいよクライマックスです。

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